「HPを作ったけれど、使いにくいんです」
「業者と連絡が取れなくなってしまって」
こうしたご相談を、私はこれまで何度も受けてきました。そして話を聞いていくと、驚くほど同じパターンが繰り返されています。
Webサイトは、作った時点では完成していません。そこから育てていくものだと私は考えています。この記事では、私が現場で見てきた失敗のパターンと、自分で育てられるサイトを持つために何を決めておくとよいかをお話しします。
「100万円かけたのに、使えないサイトになっている」という相談
実際にいただくご相談は、たとえばこういう内容です。
- 100万円以上かけて作ったのに、どこに何があるのかわからないサイトになった
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使いにくいと別の業者に相談したところ「作り直しが必要」と言われ、さらに100万円を支払うことになった
- 文字や画像を、自分で変えられない
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「営業時間を変えたい」という程度のことに、毎回依頼と費用が発生する
- 数年後、業者と音信不通になった
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更新も修正もできないまま、サイトだけが残っている
- スマートフォンやタブレットで見ると、表示が崩れている
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訪問者の多くはスマートフォンから見ているのに、そこが整っていない
こうした状況の多くは、制作側が「自分の作りたいサイト」を優先した結果として生まれていると、私は見ています。
デザインとしては美しい。制作会社のポートフォリオには載る。けれど、依頼した本人が触れない。
費用をかけたのに使いにくく、自分で修正もできない。サイトを訪れた方は必要な情報にたどり着けず、離脱していきます。更新されないサイトはGoogleからの評価も下がっていき、悪循環が続きます。
私が特に気になるのは、この状態に置かれた方の多くが、自分を責めていることです。「Webのことがわからない自分が悪い」「もっと勉強すべきだった」と話される方が少なくありません。
けれど私は、そうは思いません。触れないように作られたものを、触れないのは当然です。問題は理解力ではなく、最初にどう作られたかにあります。
サブスク型のサービスも、万能ではありません
初期費用を抑えたいという方に人気なのが、月額制のサイト制作サービスです。月額15,000円程度でHPが持てる手軽さは、確かに魅力的です。
ただ、契約内容を見ていくと、いくつか注意したい点があります。
- 契約期間の縛り
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2年縛りなどの制約があるケースがほとんどです
- デザインの制限
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用意されたテンプレートの範囲内での調整に留まることが多くあります
- 独自サーバーの使用
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サービス提供側のサーバー上でサイトが動いているケースが多く、これが後で問題になります
3つ目が、私が最も気をつけていただきたい点です。
将来的に自分で保守・運営したいと考えたとき、サイトの買い取りと、サーバー移行という壁が出てきます。買い取り費用は新規制作とほぼ変わらない金額になることが多く、サーバー移行には専門知識が必要です。
月額15,000円を2年払うと36万円。そこから買い取りと移行の費用が乗ってくると、結果的にトータルコストが膨らむことになります。
私はサブスク型を否定しているわけではありません。「数年後に自分の手元に残るのか」を確認したうえで選ぶなら、選択肢のひとつだと思います。確認せずに始めることを、心配しています。
「オリジナル」へのこだわりが、あとで自分を縛ることがあります
「HPを作るなら、全てデザイナーによるオリジナルで」と考える方は少なくありません。
その気持ちは、私もよくわかります。自分の世界観をそのまま形にしたい。ありものではなく、自分だけのものを持ちたい。事業への思い入れが強い方ほど、そう考えられます。
けれど、オリジナルであるということは、裏を返せば「作った人にしか分からない部分が多い」ということでもあります。
その方に永続的に保守をお願いできるなら、問題ありません。けれど現実は、そうならないことがほとんどです。担当者が変わる。会社が方針を変える。連絡が取れなくなる。
そして、デザイン変更の改修費用は新規制作と同水準になることもあります。さらに、WordPressのアップデートによって、オリジナルで組まれた部分に不具合が出るケースも少なくありません。
私は独立する前、19年間、金融系のシステム開発に携わっていました。そこで繰り返し見てきたのが、「作った人にしか分からない仕組み」は、必ずどこかで詰まるという現象です。
システムの世界では、これを属人化と呼びます。その人がいる間は速く回る。けれどその人が抜けた瞬間、誰も触れなくなる。だから私たちは、わざと標準的な作り方を選ぶことがありました。少し不自由でも、引き継げる方が長く使えるからです。
大手企業であれば、フルオリジナルも選択肢に入ります。保守を依頼し続ける体力があるからです。けれど個人事業主の場合は、自分でも修正でき、アップデートにも柔軟に対応できる環境の方が、長い目で見てビジネスを安定させると私は考えています。
私が必ずお伝えしている、3つの条件
これからサイト制作を検討している方に、私が必ずお伝えしていることがあります。
高額なフルオリジナルサイトにこだわる必要はありません。大切なのは、この3点だと考えています。
- 基本的に、自分で修正ができること
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文章の差し替え、画像の入れ替え、ページの追加。これが自分でできるかどうかで、サイトの寿命が変わります
- 担当者が変わっても、対応できること
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制作した人以外でも引き継げる作りになっているか。ここが属人化していると、後で身動きが取れなくなります
- 全てをオリジナルで作らなくてもいい、という柔軟さを持つこと
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オリジナルにすべき部分と、標準的な仕組みで十分な部分を分ける。全部にこだわらない方が、結果的に自由度が上がります
信頼できる会社が提供している高品質なテーマ(テンプレート)を活用したサイト制作は、こうした条件を満たしやすく、コストも現実的な範囲に収まります。
実際に私が関わっているHP制作でも、WordPressとSWELLというテーマを使っています。このサイト自体、その体制で作られたものです。
SWELLを選んでいる理由は、デザイン性やSEOへの配慮もありますが、制作後にご自身でブログを書いたり、修正したりしやすい設計になっていることが大きいです。
そして、サイトの所有権は、制作が完了した時点でお客様に完全に移ります。保守を続けるかどうかも、ご本人が選べます。私が上でお伝えした3条件を、自分たちが提供する側として満たしていなければ、説得力がないと考えているからです。
なお、制作の実務は、私と連携するデザイナーが担当しています。私が行うのは、「誰に、何を、どう伝えるか」を整理して、それを構造に反映する部分です。
「作った時点」では、まだ何も始まっていません
どんなに優れたサイトを作っても、それだけでビジネスが伸びることはありません。
今、自分のサイトがどんな状態にあるのかを把握し、自分自身がサイトを「育てる」意思を持ち続けること。それが全ての土台だと、私は考えています。
業者に丸投げにして、何が行われているのか理解しようとしない状態が続くと、ビジネスは停滞しやすくなります。実際、サイトのアップデートを放置した結果、気づかないうちにウイルスに感染してしまったというケースも起きています。
一方で、育てるという意識を持たれた方には、はっきりした変化が起きます。
書道教室を運営されている佐藤様は、思考整理を進める中で、新規生徒数が大きく伸びていました。その次の段階で、「発信の質を根本から変えたい」とHP制作をご依頼いただきました。
それまでの発信はアメブロが中心で、体験申込は入っていたものの、その多くが「様子見」の段階の方でした。
整理された言葉を、そのままサイトの形にしていきました。そして公開後、変化したのは件数だけではありませんでした。「もう気持ちが決まっている状態で来る」方が増え、体験に来た方の入会率が大きく上がりました。半年に数件だった問い合わせが、毎月数件のペースに変わっています。
佐藤様のお話は、「生徒数が10倍に」チラシやSNSの不安が、確信に変わった理由にまとめています。また、HPを継続的に運用されている別の事例として、「やりたい」が形になり、自分の時間も増えた。成果を生むHP運用の秘訣もあわせてお読みいただけます。
私がこの事例から感じているのは、変わったのはサイトではなく、伝える中身の方だったということです。器を新しくしただけなら、ここまでの変化は起きなかったと思います。
もし、作り直しを繰り返しているなら
ここまで読まれて、「自分も一度作り直している」と思われた方がいるかもしれません。
作った。使いにくい。別の業者に頼む。また使いにくい。
この流れを繰り返している場合、原因はサイトそのものではない可能性があります。
私が現場で見てきた限り、作り直しが繰り返されるとき、多くの場合「誰に、何を伝えるか」が決まらないまま作り始めています。
軸が決まっていないと、制作側は判断できません。だから、制作側の得意な形に寄せて作ることになります。出来上がったものを見て「これは違う」と感じる。けれど、どう違うのかを説明できない。説明できないから、次の業者にも同じことが起きる。
器を変えても、中身が決まっていなければ、同じところに戻ります。
この「繰り返されるパターンの起点」を、私は分岐点と呼んでいます。今回のサイトの問題ではなく、その前にある判断の位置です。
そして分岐点は、サイトを眺めていても見えてきません。作り直しのたびに事情は違うので、同じパターンだと気づきにくいからです。共通しているのは出来事ではなく、判断が定まらないまま外注しているという仕組みの方です。
学んで動いてきた方ほど、思考が絡まっている場合があると私は感じています。情報も選択肢も持っている。だからこそ、決めきれない。
同じことが、Web以外の場面でも起きているかもしれません。一人で全部を抱え込んでしまう仕組みについてはなぜ、あなたは一人で全てを抱え込んでしまうのか?で、学んでも結果につながらない構造についてはコンサルや講座を受けても結果が出ないのはなぜ?でお話ししています。
Webサイトは、あなたの手元に残るものであってほしい
Webサイトは、ツールです。
けれど、その中身をどう組み立てるかで、届く相手も、返ってくる反応も大きく変わります。佐藤様の事例で変わったのは、まさにそこでした。
そして、そのサイトがあなた自身の手元に残り、あなたが育てていけるものであること。これが、私が制作に関わるときに最も大切にしている点です。
100万円をかけるかどうかが問題なのではありません。かけた先に、自分で触れるものが残るかどうかです。
もし今、ご自身のサイトについて迷いがあるなら、まずは現状を整理してみるという選択肢もあります。HPが本当に必要なのか。SNSとの連携はどうするか。導線はどう設計するか。
考える順番が決まれば、判断はずっと軽くなります。
Continuing + HP Package
整った軸を、そのままWebの形に
思考整理とHP制作を別々に依頼すると、整えた軸と作られたサイトの間にズレが生まれることがあります。
継続+HPパッケージ(5ヶ月)では、思考整理で見つけた言葉を、そのままサイトの構造とデザインに反映していきます。WordPress + SWELLで制作し、サイトの所有権は完成時点で完全にお客様へ移ります。
継続+HPパッケージを見るまず話しながら整理したい方へ
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