「ビジネスがうまくいかないのはマインドの問題だ」「前世で傷ついているから、カルマがあるからだ」。そう言われて、ヒーリングや前世療法、ブロック解除に足を運んだことはありませんか。
受けた直後は心が軽くなり、何かが変わった気がする。けれど数週間後には、また同じところでつまずいている。次から次へと別のセラピーやヒーリングを探し続ける、いわゆる「スピリチュアルジプシー」の状態になっている方も少なくないと感じています。
現に、私自身がそうでした。この記事では、なぜ過去の傷を癒しても現実が変わらないのか、そして私がどうやってそこから抜け出したのかを、自分の経験と、これまで対話の中で見えてきたことから考えてみます。
セッションを受けるたびに楽になるのに、また同じ場所に戻る
セラピストやヒーラーのもとで、幼少期の傷ついた自分と向き合う。涙を流しながら、抱きしめてもらえなかった記憶や、否定された言葉を思い出す。
セッションの最中は確かに癒された感覚があり、心が軽くなります。けれど数週間、あるいは数ヶ月経つと、また同じ場面で不安になったり、同じ相手との関係でつまずいたりする。
そのたびに、また別のヒーリングを探す。この繰り返しに、疲れを感じている方は少なくないと私は感じています。
とくにビジネスをされている方の場合、「うまくいかないのはマインドの問題だ」「前世で傷ついているから、カルマがあるからだ」と言われ、ヒーリングや前世療法、ブロック解除に足を運ぶ方も多いと感じています。
そのときは確かに心が軽くなり、何かが変わった気がします。ただ、それは一時的な痛みの癒しにとどまり、根本的な解決には至らないことが多い、というのが私の見立てです。
たとえば「SNSで発信ができないのは、過去の傷が原因だ」と言われてヒーリングを受けても、いざSNSをやろうと画面を開いても、やはり手が止まってしまう。そういったケースも少なくないと感じています。
なぜ癒しても繰り返すのか、私自身の経験から
私は思考整理コンサルタントとして独立する前、19年間、金融系のシステム開発に携わっていました。システムというものは、表面のエラーを直しても、根本の設計に問題があれば同じ不具合が別の形で必ず出てきます。
独立してからは、この「構造で捉える」視点を、コンサルティングの対話の中でも使ってきました。これまで10年以上、1,000名を超える方とお話ししてきています。
そして正直に書きますと、私自身も何年もヒーリングを受けてきた一人です。心の傷を癒すというプロセスを、何度も何度も繰り返しました。けれど、根本的な解決には至りませんでした。
今振り返ると、その理由がはっきりわかります。私には「自分で自分をどうするか」という意識が、まったくなかったのです。傷を見つけてもらい、癒してもらうことを、誰かに委ねていました。答えを外側に探し続けていたのです。
過去の傷を癒しても、今の自分がどう思っているのか、どう感じているのか、今の自分はどうしたいのか。そこと向き合わなければ、結局のところ変われないと私は考えています。
次から次へとセラピーやヒーリングを渡り歩く、いわゆる「スピリチュアルジプシー」と呼ばれる状態になっている方も少なくないと感じていますが、現に私自身がそうでした。
私が10年以上、個人事業主の方々と対話してきた中で見えてきたのは、ヒーリングやブロック解除は、その場の対処療法としては確かに機能するという事実です。痛みを一時的に和らげることには意味があると私は考えています。
ただ、それだけで終わらせてしまうと、痛みの発生源そのものは見つからないまま残ります。ここが、私の思考整理という仕組みと、ヒーリングやインナーチャイルドワークとの、はっきりした違いだと考えています。
私のセッションは、傷ついたインナーチャイルドを癒して前に進む、というものではありません。そうではなく、「どうしてその思考になったのか」という心の分岐点を、対話を通して一緒に見つけていく作業です。
分岐点とは、繰り返されるパターンが最初に生まれた地点のことです。そこには必ず、本来その人がどうありたかったのか、という原型があります。傷を癒すことと、その分岐点まで戻って本来の自分の願いを見つけることは、似ているようでまったく別の行動なのです。
答えはすべて、今の自分の中にすでにある。今の自分にしか、今の状況を理解し、分岐点まで戻り、前に進ませることはできない。これが、私が長年の経験を通してたどり着いた考えです。
では、なぜ私は変われたのか。今振り返ると、過去は過去として捉え、今の現実の立ち位置を見て、自分はどうしたいのか、何に傷つき、どう思ったのかを、徹底的に見ていったからだと思っています。
過去の傷を癒すこと自体は大切な行動だと私は考えています(関連コラム:過去との向き合い方について)。ただ、それに囚われ続けている限り、前には進めません。
前世やカルマに理由を求めるのではなく、今、生きているこの現実の中で、前に進めない理由、発信が怖いと感じる理由を、一つひとつ見ていく。そうすることで、はじめて「あの時のこれが、前に進めない理由だった」という具体的な答えに辿り着けるのだと、私は自分の経験から感じています。
どう整理していくか、心から現実まで
私が独自メソッドとして提案している思考整理では、心の整理、思考の整理、時間の整理、現実の整理という4つのプロセスで進めていきます。この中で、ヒーリングやインナーチャイルドワークとは違う位置づけになるのが、心の整理の進め方です。
私のセッションでは、傷を見つけて癒すという行動は取りません。前世やカルマに理由を求めることもしません。そうではなく、対話を通して「どうして自分は今、この考え方をするようになったのか」を、今の現実の立ち位置から一緒に遡っていきます。
感情を吐き出して終わりにするのではなく、その感情や思考がどこで枝分かれしたのか、構造として見ていく段階です。ここで金融システム開発時代に培った「構造で捉える力」が生きていると、私は感じています。
そして、その枝分かれした地点、つまり分岐点まで辿り着いたときに見えてくるのが、本来その人がどうありたかったのか、という原型です。癒すべき傷を探すのではなく、その人が本当は何を望み、どうありたかったのかを見ていきます。それが見えると、同じ壁が現れにくくなると、私は感じています。
次に、思考の整理として、その原型と今の選択のズレを見ていき、時間の整理、現実の整理へとつなげていきます。ただし、分岐点は一人で、あるいは単発のセッションだけで辿り着くのが難しい領域でもあります。継続的な対話を通して、時間をかけて戻っていく必要があると、私はこれまでの経験から感じています。
分岐点が見つかり、「あの時のこれが、前に進めない理由だった」と気づいたとき、私が大切にしているのは、その出来事や相手を責めることに向かわせないことです。誰かのせいにするのではなく、そのとき自分がどんな感情を抱いたのか、そして本当はどうしたかったのかを、丁寧に見ていきます。
そのうえで焦点を当てるのは、過去でも相手でもなく「今、自分はどうするか」です。悲しみや後悔の中にとどまるのではなく、本当に望む未来に向けて視野が広がっていくよう、対話を通してサポートすること。これが、私のセッションやコンサルの特徴だと考えています。スピリチュアルな視点を扱いながらも、着地点は常に現実的な行動である。これが、私のセッションのスタンスです。
自分に問うべきこと
ここまで読んでくださった方に、いくつか問いを投げかけたいと思います。
「私は、この痛みを誰かに癒してもらうことを求めているのか。それとも、自分でこの状況をどうするかを、決めようとしているのか」と、自分に聞いてみてください。
「発信が怖い」「前に進めない」と感じるとき、その理由を前世や星回りに求めていないか。今の現実の中で、何が自分を止めているのかを、自分に聞いてみてください。
「あの時のあの出来事」に気づいたとき、それを誰かのせいにして終わらせていないか。そのとき自分がどう感じ、本当はどうしたかったのかまで、自分に聞いてみてください。
「セッションを受けた直後は楽になるのに、なぜまた同じ場面で同じ反応をしてしまうのか」という問いも、一度、時間をかけて自分に向けてみてください。すぐに答えが出なくても構いません。問いを持ち続けること自体に意味があると、私は考えています。
癒しを選ぶか、選び直す道を選ぶか
過去の傷を癒して前に進むことと、心の分岐点まで戻って本来ありたかった自分を見ていくことは、似ているようでまったく別の道です。どちらが正しい、間違っているというものではなく、目的そのものが違うと私は考えています。
癒しを求めているのか、それとも繰り返すパターンの起点まで戻り、自分で選び直したいのか。そこを見極めることが、次に進む一歩になるのではないかと思います。
もし、この分岐点までを一人で辿るのが難しいと感じる場合、対話を通して一緒に整理していくという選択肢もあります。私の継続コースでは、5ヶ月という時間をかけて、心の整理から現実の整理までを、対話の中で進めていきます。まずは無料相談で、今のご自身の状況を言葉にしてみることから始めていただければと思います。
なお、心の傷が深く、専門的な治療が必要と感じられる場合は、医療や心理の専門家にご相談いただくことをおすすめします。
