無料素材、本当に大丈夫?AI生成画像含む無料素材を商用利用されている方へ
AI生成画像含む無料素材は商用利用をして大丈夫か?
寺田真理です。
最近、AIで簡単に画像が作れるようになり、「無料素材を探す手間が省けて便利!」と感じている方も多いのではないでしょうか。
私のクライアント様もその一人でした。Kindle出版の挿絵をAIで作成させていました。
そのまま販売という流れになりそうだったので
「AIで作った画像、そのまま使って本当に大丈夫ですか?確認されましたか?」
とお聞きしたところ
クライアント様は特に確認せず、そのまま出版をしようとされていました。
もし個人的に楽しむだけなら問題ないかもしれませんが、今回のように「商用利用」する場合は、話が違ってきます。
そこで、クライアント様に「商用利用が可能かどうか、必ず確認してください」とお伝えしました。
後日、クライアント様は「大丈夫です」と答えられたので、どのように確認したのか尋ねたところ、「chatGPTで確認をした」とのことでした。
見せていただいたchatGPTの回答は、要約すると「商用利用はOKです。ただし、絵の中でどの部分に誰の作品が何%使われているか明記してください」というものでした。
つまり、「この部分にはレオナルド・ダ・ヴィンチの絵が30%、こっちには岡本太郎さんの絵が20%使われています」というように、詳細を記載する必要があるということでした。
と言うことは、もし現在活躍されている方の絵を参考にした場合は、その方に許可を取る必要があります。でも、実際にAIが作成した画像から、どの絵が誰の作品を参考にしているか判断するのは非常に困難です。
そこで、クライアント様には改めてしっかり確認するようにお願いをしました。
とことん確認をする
2週間ほど、クライアント様とやりとりをしながら確認をしました。
具体的には、無料での確認は限界があるのでchatGPTの管轄である、Microsoftに確認をとりました。
その際に最初はbotでのやりとりとなりましたが、途中から有料を案内され、質問をするたびに、回答をしてくださるエンジニアの方のグレードが上位になりました笑。
最終的には4人目となる、上級エンジニアの方とこれまでの経緯を踏まえて、確認をしました。
上級エンジニアの方の回答は、「現状は限りなくグレーです。いずれ使用禁止になる可能性が高いと思われます」という回答でした。
クライアント様とのやり取りのため、実際のエンジニアの方の回答をお見せできないのですが、
当時ルールも定まり切っていない中、そのまま画像を使用するのは難しいと判断しました。
(2024年4月時点)
でも、これは、画像生成AIだけでなく、Canvaなどのデザインツールにも当てはまりました。
Canvaに確認をしたら、
「現時点では商用利用可能ですが、Canvaを使用している旨を明記する必要があり、将来的には商用利用が禁止される可能性が高いかもしれません」という回答でした。(2024年4月時点)
結果的に、クライアント様はご自身で絵を描き、PDF化して書籍を出版されました。
時間はかかりましたが、「自分の世界観を表現できた、良いものができた」と大変喜んでいただけました。
「知らなかった」では済まされない
今回のケースはAIの生成画像でしたが、フリー素材と呼ばれるものでも、「商用利用」になるとロイヤリティ(権利使用料)を支払う場合もあります。特に、LP(ランディングページ)での利用は注意が必要になるかと思われます。
よく、
「みんなやってるから」
「バレないから大丈夫」と言う方も多いです。
でも、それは、スピード違反でたまたま捕まらなかっただけの話と同じです。
「面倒くさい」と思わず、安心してご自身のビジネスを続けるために、しっかりと確認することが大切です。
「知らなかった」では済まされないのが個人事業主です。
税金についても同じですが、自分の身を守るために、事前に確認することはとても大事です。
もし、ご自身のビジネスで不安なことがあれば、お気軽にご相談ください。
必要に応じて、専門家をご紹介することも可能です。