「商品を愛さない方が、売れる」
そう言われたら、
少し乱暴に感じるかもしれません。
実際、私も最初は
強い違和感を覚えました。
けれど今なら、
この言葉の本質は
愛するなではなく「没入しすぎるな」だったのだと分かります。
「商品を愛さない」という言葉の真意
以前参加したミニセミナーで、
主催者の方がこう話していました。
「商品を愛さない」
「商品を説明しない」
「商品を売らない」
これが、
ビジネスを続けるための秘訣だと。
当時は、まったく理解できませんでした。
良いものを作りたい。
心を込めたい。
それの何が悪いのだろう、と。
「好き」は、視野を狭くすることがある
時間が経ち、
多くの方の相談に関わる中で
少しずつ分かってきたことがあります。
商品を心から好きでいること自体は、
決して悪いことではありません。
けれど、その「好き」が強くなりすぎると、
視点が内側に固定されてしまう。
「これは素敵」
「自分史上、最高の出来」
それは作り手側の視点であって、
顧客の視点とは一致しないことがある。
職人気質が、売れなくさせるとき
職人気質の方ほど、
細部へのこだわりが強くなりがちです。
その熱量が、
そのまま価値として伝わるとは限らない。
思うように売れないとき、
気づかないうちに
こんな思考に入ってしまうことがあります。
「なぜ、分かってもらえないのだろう」
「良さが伝わらないのは、相手の問題だ」
この状態は、
努力不足ではなく
顧客視点が抜け落ちているサインです。
「商品を愛さない」とは、手放すことではない
「商品を愛さない」というのは、
商品を雑に扱うという意味ではありません。
むしろ逆です。
一歩引いて、
自分の商品を俯瞰すること。
「きっとお客様はいるはずだ」
という願望ではなく、
「本当に、今ここに必要としている人はいるだろうか」
その問いを持てるかどうか。
ダブルの顧客視点という考え方
私の仕事では、
直接のクライアントと、
その先にいるお客様。
二重の顧客が存在します。
どちらか一方に
思考が偏ると、
必ず歪みが生まれます。
だからこそ、
常に視点を切り替えながら
全体を見ることを意識しています。
売れないときに、整えるべきは商品ではない
売れないとき、
多くの人は
商品を変えようとします。
けれど実際に必要なのは、
商品に向けている思考の位置を
整えることです。
・どこから商品を見ているのか
・誰の視点で語っているのか
・思考が内側に閉じていないか
そこが変わると、
商品そのものを変えなくても
流れが変わることがあります。
顧客視点での商品整理をしたい方へ
自分一人では、
思考の偏りに気づきにくいものです。
個人コンサルティングでは、
商品そのものではなく、
商品を見ている思考を一緒に整理します。
売れない理由を
自分や商品に押しつける前に、
一度、俯瞰する時間を持ってみてください。

